No.32 岩手県での演奏旅行① バリトン歌手・合唱指導者 佐野正一

目次

岩手県での演奏旅行①

岩手県の小・中学校には、
日本青少年文化センターのプログラムで

2004年~2006年の三年間(約60校)
2013年~2015年の三年間(約30校)

演奏に行きました。

今回は、2004年~2006年の三年間に
演奏に行った時の思い出です。


久しぶりの東北地方での
演奏だったのですが、

岩手県の子供達は肌が白く、
頬がほんのりと赤い感じました。

8年間演奏に行っていた、
鹿児島の子供達は日に焼け肌が黒く、
目鼻立ちがはっきりしていたので、

舞台から見える子供たちの表情に
違いを感じたのかもしれません。

また、小規模な学校が多く、
生徒達は一つの学校やホールに 
何校も集まり聴いてもらう
という形が多かったと思います。

また、最新技術の学校もあり、
風力発電で学校の30%の電気を
補っている学校もありました。

岩手県は、食べ物が美味しく

盛岡冷麺やじゃじゃ麺が有名ですが、

この時は、
盛岡市前沢牛種市市ではうにいちご煮久慈市では寿司安比高原では山菜アイスクリーム
葛巻市では牛乳ヨーグルト

などをいただきました。

それから、ある学校でいただいた、
どんぐりのアイスクリームは、
びっくりするほど美味しかったです。

 いちご煮というのは、
 苺を煮た食べ物ではなく、
 うにと、アワビが入った
 お吸い物のようなものです。

 私は大好物で、青森に行った時も
 食べ歩いた覚えがあります。

 一度機会がありましたら、
 食べてみてはいかがでしょうか。
 お薦めです。

沢内村(現在は西和賀町) 秋田県との県境にある村

平成の大合併をしている最中で、
まだ村がたくさん残っており、
様々な村に歌いに行きました。

沢内村(現在は西和賀町)は、
秋田県との県境に位置する所で
北上から横手を結ぶ北上線にある、
「ほっとゆだ」という駅名でした。
温泉が付いている駅です。

その沢内村の村の花が、

「カタクリの花」で、

その三日前に指揮を振った
保谷女性合唱団の定期の演奏曲に、

「カタクリ」

という曲が入っていたので、
何か縁を感じたのを覚えています。


沢内村で泊まった大きな旅館には、
露天風呂付きの温泉があり、
本当にのんびりと
羽を伸ばさせて頂きました。

ここは、豊富な温泉資源と
美しい自然景観に恵まれた
湯田温泉峡として有名な場所です。

夕食の時、おかみさんが、

「このあたりは、冬になると、
二階まで雪が降り積もり、
雪かきがとても大変なのに、

子供達は、東京に出てしまい、
雪かきにも帰ってこない」

と嘆いていました。

その話しぶりに、
自然と現実の厳しさが
ひしひしと伝わってきました。


この地区には演劇専用のホール、

ゆだ文化創造館「銀河ホール」

があり、

そのロビーから目の前に見える、
「錦秋湖」には圧倒されました。

晴れた日には、
山が湖の上にきれいに映るそうです。

私達は演奏後、錦秋湖ゆだダムの広大な光景を見ながら、
花巻市東和町へ向かいました。

この東和町の宿泊施設にも、
露天風呂付きの温泉があり
演奏の疲れを取らせて頂きました。

花巻市は、宮沢賢治や
東北屈指の温泉地として有名です。

残念ながら、
観光をする時間は取れませんでした。

釜石市 わが国近代製鉄発祥の地

翌日、東和町大迫町での演奏後、
釜石市に移動。

自分の記憶では、釜石市は、
製鉄でとても有名で、
とても賑わっている町ではないかと
思ったのですが、

もう鉄の時代が終わっており、
それに関わってきた従業員も去り、
とても静かな町になっていました。

ホールでの公演でしたが、
アンコールの「世界に一つだけの花」
を歌い始めると、

客席の子供たちが立ち上がり、
振り付きで一緒に歌ってくれました。

その時の映像は、
目にしっかりと焼き付いています。
感激しました。


町を散歩した時に目に留まったのは、

「のんべい横丁」という、

釜石製鐵所の作業員が呑み集った
カウンターだけの小さいお店が
たくさん集まっている横丁でした。
(現在は閉鎖)

とても印象に残る風景でした。

遠野市 民話のふるさと

翌日は、遠野市です。

柳田國男の「遠野物語」で知られる
民話のふるさととしても有名な町です。

この町に入ると、昔ながらの建物が、
あちらこちらに保存してあり、

違う時代にやって来たような
錯覚を起こしそうな町でした。
お寺もたくさんありました。

私はその町を観光したい時は、
レンタサイクルをする事にしています。

駅前の観光案内で自転車を借りて、
遠野を散策しました。

宿からいただいた地図ですと、
色々な名所が近く感じられましたが、
実際は時間がかかりそうでしたので、

遠出をあきらめ市街地の辺りを
ゆっくりと回りました。

心地よい風と、田園風景、早瀬川、
懐かしい香りがたくさんしました。

心を癒しに行くには、
とても良い場所かもしれません。
頭の中がとてもすっきりしました。


ちなみに、女性のソリスト達は、
名物のジンギスカンを食べようと、
食肉センターというレストランへ、
30分歩いて行ったそうですが、

臨時休業だったそうで、
失意のもと、
別のところで夕食を取ったそです。

彼女たちは私に話しませんでしたが、
テノールのソリスト方が
町を歩いていると、

パチンコ屋の前に横付けした
タクシーから降りる
彼女達を見かけたそうです。

ジンギスカンを食べられなかった事が
余程ストレスだったのではないでしょうか?
勝ったかどうかは不明です。

途中、 「遠野風の丘」
という道の駅で休憩したのですが、

胡麻のソフトクリームが、
口の中一杯に幸せを運んでくれました。

三陸海岸を大移動、そして一関市へ

三陸海岸沿いに北から南に移動しながら、
公演を行いました。

この時に、お邪魔しましたのは、
陸前高田市 住田町 大船渡市 
田野畑村 川井村 山田町
です。

現地で食べると
とてもリーズナブルな値段でしたので、

鮑、ホタテ、ウニ、イカ、ホヤ、
甘エビ、ワカメ、コンブ、岩手牛など、

美味しいものをたくさん食べ、
舌もとても喜ぶ事ができました。


陸前高田市千昌夫さん
村上弘明さんの出身地のようで、

道路沿いの大きな立て看板の表に、
千昌夫出身の町
立て看板の裏に、
村上弘明出身の町
と書いてありました。

宿泊は、千昌夫さんが所有していたホテルを
町が買い取って経営しているホテルでした。


住田町では、アンコールの曲の時に、
子供たちみんなが
一緒に大きな声で歌ってくれました。

最後に、

「これからも頑張って歌っていきますので、
皆さんも勉強頑張って下さいね」

と言ったら、

すぐに何人かの子供達が、

「ガーン」と言って

床に突っ伏していました。

とてもかわいかったです。


大船渡市には碁石海岸という
素晴らしい景観があると伺い、

一人で大船渡駅から細浦駅に行き、
タクシーを呼んでおいてもらって

穴通磯、乱曝谷など
心に残る風景を目に焼き付けてきました。
細浦漁港の夕焼けはとてもきれいでした。

路線バスに乗り、海を眺めながら
宿泊している大船渡駅に戻りました。

ここも新沼健二さんの出身地で
新沼姓が多いそうです。


田野畑村は、海の幸の他にも
「たのはた牛乳やヨーグルト」があり、
朝食の時に美味しくいただきました。 

泊まったホテル羅賀荘の前は、
すぐに海で迫力がありました。

三陸海岸を北上するごとに
どんどん霧が深くなりました。
霧が多い地域なのでしょう。


川井村(現在、宮古市)でも

「私たちも頑張って歌っていきますので、
 皆さんも、勉強頑張って下さいね」

と言いましたら、

ここでは、すぐに「はい!!」という返事を

大きな声でしてくれた男の子がいました。

これもまた、かわいかったです。


山田町では、
子供たちと一緒に歌を歌ったのですが、

皆さん素晴らしい歌声をしていて
びっくりしました。
本当に質感の良い声でした。

山田町は牛乳瓶入りうに
として有名なところですから、
うには喉良いのかもしれません。


一関市では、6公演行いました。

一関市の話は、
2013年~2015年の三年間での思い出の時に
書きたいと思っています。

この時は、空き時間に、
坂上二郎さんの演劇を見に行きました。
NO.16の思い出に詳しく書いています。

平泉町 世界遺産の町

平泉町は、中尊寺・毛越寺で
全国的に有名な場所です。

全ての岩手公演の演奏が終了した
平泉小学校の前が毛越寺でしたので、

毛越寺を拝観し、
広々とした庭を散歩してきました。

この日は雨でしたが、風情があり、
素敵な時間を過ごすことができました。

ホームページ「歌う蔵元」さん

今回の公演では、
岩手の「歌う蔵元」さんから、
(現在は、「NHKイタリア歌劇団」さんです。)

せっかく岩手にいらしているのなら、
演奏を聴きに行きたいという
メールをいただきました。

とても嬉しく、ご案内致しました。

「歌う蔵元」さんとは、前々から、
HPを相互リンクさせて頂いていたのですが、
今回がお会いするのが初めてでした。

イタリアオペラや日本音楽コンクール、
NHKFMの放送の録音等をたくさん所有し、
資料としてHPに掲載しています。

とても素晴らしいHPです。
興味がある方は、
一度ご覧になることをお薦め致します。
「NHKイタリア歌劇団」

演奏終了後、
貴重な日本音楽コンクールの
NHKFMでの放送のコレクションを
いただいたのですが、

その中に、20年近く前の
私のコンクールでの演奏も入っており、
懐かしく、聴く事ができました。

お会いできて良かったです。
岩手県での良い想い出の一つになりました。

岩手公演を終えて

毎日本番を歌っていると、
日に日に身体が重くなってきます。

最初は元気なのですが、最後の三日位は、
マラソンで30キロ地点を
走っているような感じだと思います。

この疲労に対する対策は、
なかなか見つかりません。

短距離走のような歌い方をせず、
無理をしないで、バランスを保ちながら
歌っていくことぐらいでしょうか。

ストレスを少しでも溜めないことも大事です。

二週間で20公演、×三年間を
体調を崩すことなく全学校を回ることができ、
責任を果たせたことにホッとしました。
音楽活動の思い出へ

コロナ前のHPは、こちら
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この記事を書いた人

コロナウイルス禍の中、
発声方法を中心にしたサイトを
立ち上げました。

こんな時期ですから、
独学でできる歌の勉強を
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長年の経験を生かし、
全力で応援します。

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