No.18 響きを求める バリトン歌手・合唱指導者 佐野正一

No.18 響きを求める

声を出す時、
どうしても大きい声を求めがちです。

しかし、日本人の声に足りないのは、
響きだと思います。


外国人は、話し言葉から
声に響きが付いています。

しかし、私達日本人の話し声は、
息漏れが多く、響きが少なく、
声が落ちています。


これは、唇や、舌、表情筋、
口腔内の筋肉の筋力の差から
来るものだと思います。


あまり筋肉を使わない
日本語の言語的な特色から、

響きがつかず、
声が落ちてしまうのです。


倍音をたくさん含んだ響きは、
人にリラックスを与えます。


逆に、どんなに声が大きくても、
雑音をたくさん含んだ音は、

騒音に近いものになってしまい、
聴いていると元気がなくなります。


大きい声というのは、
表現としては分かりやすいのですが、

本当にその声を聴いて、

耳や身体が喜んでいるかどうか、
確認した方が良いと思います。


私達日本人が、
その響きを得るためには、

言語に関係している筋肉を使い、鍛え、

柔軟性のある力強い筋肉を
育てていく事により、

話し言葉に響きを増やし、

その延長上として、
心地よい響きを含んだ歌声を作っていく
必要があると思います。

歌も他の楽器と一緒です。

お客さんにエネルギーを与える美しい響きを
追求し続けなければなりません。



アドバイス 目次
ドイツベルリン「感動の第九」リハーサル風景
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