No.5 暗譜のコツ バリトン歌手・合唱指導者 佐野正一

No.5 暗譜のコツ

暗譜のコツ

仕事上、年がら年中、
歌を覚えています。

皆さんも苦労しているかと思いますので、
参考に自分の暗譜の方法を
少し書きたいと思います。

私はいつも、歌詞用のノートを作り、
移動中にブツブツやっていますが、

きっと周りの人から見ると
とても危ない人に見えるのでは
ないでしょうか。

でも、仕事柄、家でじっくり
というわけにも行かないので、
もっぱら移動中での暗譜です。

暗譜はおもしろい事に、
本番が空いて、
ブランクができると
頭に入ってこなくなります。

適度に、本番があり、
いつも覚えていた方が
効率的に頭に入ってきます。

後、録音を聞くにしても、
自分の声が一番早く入ります。

きっと他人の声だと、
どこか身体が拒否して、
入りづらいのだと思います。

ですから、急ぎの暗譜ほど、
自分の声で、歌を吹き込んで、
良く聴くようにしています。

それから、歌詞を唇や舌などに
覚え込ませると、忘れずらくなります。
身体に覚え込ませる事です。

これは、何も考えず唇や舌などを使い、
よく読み、身体に刻み込む事です。

後は、イメージですね。

歌詞や曲から、たくさん映像化して、
その呼吸や、身体を再現しながら、
そのイメージを追っていきます。

オペラの場合、
演技しながら覚えていくのも手です。


若い頃、仕事を抱え込みすぎて、
暗譜が間に合わず、
急性神経性胃炎になった事があります。

本番の日に、急に背中が痛くなり、
手に力が入らず、
荷物も持てなくなりました。

喉は元気でしたので、
何とか本番を歌ってきましたが…。

あまりストレスをかけすぎるのも
よくないなと思いました。

身体は正直です。無理をすれば、
どこかにその歪みが出てきます。

ですから、
本番ギリギリに覚えるのではなく、
時間の余裕を持って
覚えていきたいものですね。

アドバイス 目次
イタリア ベネチアの風景
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