作曲家 中田喜直先生 バリトン歌手・合唱指導者 佐野正一
「めだかの学校」「夏の思い出」 「小さい秋見つけた」など、 素敵な作品を私達に与えて下さった 作曲家 中田喜直先生 東京藝術大学大学院時代の、 スキー旅行に、 中田喜直先生がゲスト参加され、 初めてお会いしました。 藝大の先生に紹介していただき、 ご挨拶をすると、 「君、競輪の中野浩一に似てるね!! いや、長嶋一茂にも似てるかな?」 と何度も言ってきました。 とても気さくな先生でした。 中田喜直先生は、 スキー検定1級免許を持っていらして、 スピードを上げることなく、 とても優雅に斜面を滑っていました。 私は、二回目のスキーでしたので、 ご想像にお任せします。 その後も、中田喜直先生には、 何回かレッスンを受けたり、 コンサートで、中田喜直先生の伴奏で、 歌わせていただく機会に恵まれました。 ある静岡でのコンサートで、 中田喜直先生の歌曲作品と 童謡を歌う機会があり、 本番二日前に、 中田喜直先生のレッスンに伺いました。 童謡に関しては、主催者から、 「めだかの学校」などの有名な曲を 数曲歌えば良いからと 言われていましたので、 気楽に考えていました。 歌曲のレッスンが終わった後、 中田喜直生先生が、 後ろの棚から 童謡の楽譜を持ってきて、 「これを君にあげますね。」 と、楽譜にサインをして下さいました。 そして、ぺらぺらとページをめくり、 「すいかがゴロゴロ」 「なっぱのうた」など、 私が知らない童謡を5曲指さし、 「この曲を身振り手振りを付けて 歌って下さいね。 楽しくお願いしますよ。」 とにこやかにおっしゃいました。 この童謡のコーナーは、 中田喜直先生の伴奏で 歌う事になっています。 私は、内心、 明後日までに5曲、暗譜、振り付き、 中田喜直先生の伴奏…、 と思いましたが、 やるしかありません。 二日間必死に覚えました。 本番当日、静岡駅に到着し 最初に向かったのは、 …薬局屋でした。 完全に胃に来ていました。 演奏会は、冷や汗をかきながら、 何とか無事に終わりましたが、 中田喜直先生は、 物凄い嫌煙家でしたので、 演奏会でお話をお願いすると、 音楽の話より、 いかにタバコが身体に悪いかを熱弁し、 予定の時間をオーバーしても、 話し続けるので、 演奏時間が伸びたりすることが 多々ありました。 今回もそのパターンになり、 新幹線の時間が迫っていました。 私達は、演奏会終了後、 すぐに駅へ向かいました。 見送りを受け改札に入ると、 急にカメラマンが現れ、 「横の方は有名な方ですか?」 と聞かれましたので、 「有名な作曲家の中田喜直先生です。」 と答えますと、 「一枚撮らせてください」と言って、 写真を撮って去っていきました。 こんなタイミングで カメラマンがいるのも 偶然かなと思っていましたら、 目の前を若い女の子に囲まれた、 さんまさんが、さっそうと歩いていました。 納得しました。 新幹線の中では、 中田喜直先生と二人きりでしたので、 色々なお話をさせていただきました。 今では、貴重な思い出となっています。 思い出 目次
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