No.19 かんぴょうの町 (栃木県壬生町) バリトン歌手・合唱指導者 佐野正一

かんぴょうの町 (栃木県壬生町) 

かんぴょう 写真提供:栃木県観光物産協会
確か、栃木県の壬生町での
青少年劇場の公演だったと思います。

出演者のKさんが、

「かんぴょう」
北原白秋作詩 福井文彦作曲

という日本歌曲を歌ったところ、

物凄い勢いでウケたことがありました。


確かにテンポも速く、
とても楽しい曲なのですが、

ここまでウケることがあるのか
というぐらい会場は盛り上がりました。


第一部も終わり休憩を取っていると、

その学校の先生が楽屋に興奮して現れ、

「いゃー、かんぴょうを歌って下さり、
本当にありがとうございました!!」

とKさんに握手を求めてきました。


よくよく話を聞くと、

この地区の名産が、
「かんぴょう」なのだそうです。

この話を聞き、先ほどの
異常なまでの盛り上りの原因が、
わかりました。


先生が楽屋から出て行った後、

今度は校長先生が
興奮冷めやらぬ様子で入ってきて、

「ありがとうございました
感動しました!!」

と、Kさんに握手を求めてきました。


余程、この「かんぴょう」は、
この地区にとって、
大事なものなんだなと思いました。


校長先生も楽屋を去り、
やっと一休みしようとした時に、

“二度あることは三度ある”のことわざ通り、

今度は教育長が興奮して入ってきて、

「かんぴょうを取り上げて下さるとは、
感謝しかありません。
ありがとうございました。」

またまた、Kさんに握手を求めてきました。


そのため休憩時間は
あっという間に過ぎていきました。



Kさんもこの絶賛の嵐に舞い上がり、
とても嬉しそうにしていましたので、

急遽、アンコール曲を変更して、
Kさんの「かんぴょう」で締めくくりました。

もちろん会場は、
この時も、物凄い盛り上がりを見せました。

ここまで盛り上がった客席は、
あまり見たことはありません。


昔の思い出ですが、

子供たちも大人も、
この地区の名産品である

「かんぴょう」

にプライドを持っているのだな
と思いました。

検索しましたら、

「かんぴょう」は、壬生町発祥の農産物
だそうです。


地元に誇れるものがあるのは、
素晴らしいことだと思います。


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