歌唱の為の六つの舞台語の練習方法 図式化して理解をしよう

目次

舞台語の練習方法① 図式化

舞台語の練習方法①

これまで、
母音と子音の特徴を
説明してきました。

次に、舞台語の練習方法について
書きたいと思います。

まず、この歌詞を見て下さい。

砂山の砂に 

砂にはらばい

初恋のいたみを

遠くおもひ出ずる日

これは石川啄木の「一握の砂」からの
「初恋」という日本歌曲の歌詞です。

歌詞のイメージを湧かせるためには
もちろんこのまま読んでよいのですが、

舞台語としての練習の時は、
ローマ字に変換します。

そして、
私のやり方は母音を強調する為に
子音を小文字にします。

sUnAyAmAnO sUnAnI 

sUnAnI hArAbAI

hAtsUcOInO ItAmIwO 

tOOkU OmOI IzUrUhI


このようにして、
ローマ字を見て歌うだけで、
母音に眼が行き、

母音止めが少なくなり
歌いやすくなっていきます。

母音が繋がりやすくなるという事は、
結果的にメロディーラインも
しっかりしてきます。

もちろん子音は、
子音の位置を考えるで書いたように
同じ位置で発音しましょう。

外国人が話す様な違和感のある
日本語になりましたらOKです。


私は昔、トレーニングを兼ねて、

日本歌曲や対訳のオペラは全部
この様に書き直して、
練習していた時期がありました。

現在は癖になっていますので、
日本語の歌詞を見ると、
すぐ、頭の中でローマ字に変換し、

口が勝手にその場所に
行くようになりました。


眼からの情報は凄いですから、
面倒かもしれませんが、

ローマ字に書き直して
練習をしてみる価値は
十分にあるかと思います。

舞台語の練習方法② 母音を図式化

舞台語の練習方法②

前回は、舞台語の練習方法を
図式化してきました。

今回は、もう少し発展させたいと思います。

sUnAyAmAnO sUnAnI hArAbAI

この歌詞を使って二パターン並べますので
比べてみて下さい。

1,sU−nA−yA−mA−nO
  sU−nA−nI−
  ha-ra-ba-i-

2,sUUUnAAAyAAAmAAAnOOO 
  sUUUnAAAnIII 
  hAAArAAAbAAAIII


のような感じで歌うと、
母音が止まり、
声が詰まってしまいます。

この表記は引き棒といい、
日本の漫画の吹き出しは、

だいたい「あ−」の様に
書かれているのを思い出して下さい。

この頃は、昔と違って、
外国の漫画の吹き出しに良くある
「AAAA」などの
書き方も増えてきています。

は、
外国の漫画の吹き出しの表現を
利用して、

母音を何回も

「AAAA」の様に

新しく作る感じがよいと思います。

この様にすると、
より母音に眼が行き
とても歌いやすくなります。

何度も言いますが、
眼からの情報は凄いですので、

面倒かもしれませんが、
このように書き直して練習してみる価値は
十分にあるかと思います。

舞台語の練習方法③ 子音を図式化

舞台語の練習方法③

前回は、母音の練習方法を
図式化してきました。

今回は、子音の練習方法を
図式化していきたいと思います。

sUnAyAmAnO sUnAnI hAlAbAI

今回もこの歌詞を使っていきます。

言葉をはっきりするためには、
子音を強調していく必要があります。

しかし、子音に力を入れぶつけると、
母音ははじかれてしまい、
なくなってしまう傾向にあります。

1,を見て、
子音を強く発音して読んで下さい。

1,SuNaYaMaNoSuNaNi 
  
  SuNaNi HaLaBai

いかがでしょうか。

母音が短くなり
動かなくなっていくのを
感じませんでしょうか。

これでは歌うことができません。

良く合唱なので、
言葉が聞こえないと言われ、
ムキになって発音しようと

すると、私達日本人は、
この様な傾向になり、

結局声も出ず、
喉を痛めてしまいます。

ですから、子音を強調するには、
子音に時間をかけることです。

子音は、有声子音と無声子音に
分かれますが、

有声子音の扱いを上手すると
言葉が良く聞こえるようになります。

図式化すると2,のようになります。

2,ssUnnAyyAmmAnnO 

  ssUnnAnnII hAlAbAI

極力、子音を柔らかく発音していき
母音を動かしていくと、

子音と母音がくっつかず
うまく流れていきます。

そして言葉も良く聞こえるように
なっていきます。

歌の曲ににあわせて
もう少し発展させると、

sssUUnAyyAAAAmAAnOO 

ssUUnAAnIIIII 

ssUnAnIII 

hAlAbAAIIII

みたいな書き方もできます。

これを見ながら歌っても良いですし、

楽譜の歌詞の上に書いて歌っても
良いと思います。

全部書かず、
必要なところだけでも良いと思います。


細かく図式化して説明しましたが、
簡単に言うとやはり、

外国人になったつもりで、
発音しながら歌うことです。

舞台語の練習方法④ 子音と母音の分離 図式化

舞台語の練習方法④

今回は、子音と母音の分離の練習方法を
図式化していきたいと思います。

子音と母音の分離が
うまくできるようになると
歌うのがとても楽になってきます。

sUnAyAmAnO sUnAnI hAlAbAI

今回もこの歌詞を使っていきます。

練習方法としては、
有声子音を伸ばし、
間を取ってから、
母音を言います。

注意することは、

1,子音は必ず発音する位置を
  確かめながら行う。

2,母音を止めないで動かす。

3,子音と母音は、
  お互い影響を受けないように
  発音する。

図にすると、

ss UU nn AA yy AA mm AA nn OO

ss UU nn AA nn II 

h AA ll AA b AAII

いかがでしょうか。


これを見ながら
何回も読む練習をすると
子音と母音の感覚に敏感になり、

歌詞を歌う時に
とても楽になってきます。


実は、色々な外国語によって、
子音と母音の分離の量が違います。

はっきり分離する言語もあれば、
微妙に分離する言語もあります。

ただ日本語自体が
子音と母音がくっついている
言語ですので、

わざとこのような練習をして、
子音と母音の関係の感覚を知り、

舞台語として使っていけると
良いと思っています。


次は発音をしやすくするための
練習方法を載せたいと思います。

舞台語の練習方法⑤ 発音しやすくする練習方法

舞台語の練習方法⑤


舞台語を発音しやすくするためには、
ずらし読みや、
後ろから読む練習をします。

その後普通に読むと
とても読みやすくなります。

sU nA yA mA nO 

sU nA nI 

hA lA bA I

今回もこの歌詞を使っていきます。

一つずらしながら読んでみます。

sU nA
nA yA
yA mA
mA nO
nO sU
sU nA
nA nI
nI hA
hA lA
lA bA
bA I

二つずらしながら読みます。

sU nA yA
nA yA mA
yA mA nO
mA nO sU
nO sU nA
sU nA nI
nA nI hA
nI hA lA
hA lA bA
bA I

今度は後ろから読みます。

sU nA yA mA nO sU nA nI hA lA bA I
← ← ← ← ← ← ← ← ← 

前から書くとこうなります。

I bA lA hA 
nI nA sU 
nO mA yA nA sU

これを一つずらして読むと

I bA
bA lA
lA hA
hA nI
nI nA
nA sU
sU nO
nO mA
mA yA
yA nA
nA sU

二つずらすと

I bA lA
bA lA hA
A hA nI
hA nI nA
nI nA sU
nA sU nO
sU nO mA
nO mA yA
mA yA nA
yA nA sU
nA sU

いかがでしょうか。

まるでピアノのスケールの
リズム訓練みたいな感じがしませんか。

私は、唇や舌の訓練は、
ピアノでいう指の訓練と同じだと
思っています。

この様な訓練をすると、
言葉もはっきりしますし、

声もとても出しやすくなり、
響きが付いてきます。

うまくなるためには
毎日こつこつと練習あるのみです。

即効性があります、
どうぞ試してみて下さい。

舞台語の練習⑥ ボックス練習 音程を付ける

ボックス練習

効能

歌詞を付けた時に声が出しやすくなる。
言葉が良くわかるようになる。
音程がクリヤーになる。

解説

舞台語を考えるのところで、
子音や、母音の扱いを図式化して、
細かく説明しましたが、

その続きになります。

今回も「初恋」の歌詞を使ってみましょう。

sUnAyAmAnO sUnAnI 
sUnAnI hArAbAI
hAtsUcOInO ItAmIwO 
tOOkU OmOI IzUrUhI

これを一つ一つ分割して
読む練習をします。

図を見て、子音の位置を気にしながら
読んでみて下さい。

 sU nA yA mA nO sU nA nI  
 sU nA nI hA rA bA I
 hA tsU cO I nO I tA mI wO 
 tO O kU Om O I I zU rU hI

この時に、最初のsUの影響を
nAは受けないようにして読みます。

極力、一語一語の純度が高い方が、
言葉がわかりますし、

前の語の影響 を受けると、
だんだん顎や喉が硬くなり、
声が詰まってきてしまいます。

できるだけ、唇、舌等を良く使って
読んで下さい。

この練習をたくさんして、
口の筋肉に刻み込んだ後に歌うと、

声が出しやすくなりますし、
言葉もクリヤーになってきます。

ついでに、暗譜にも役立ちます。

イメージとしては、一つ一つ、
字の書かれた積み木(ボックス)を
並べていく様に歌う感じです。


そして、このボックス練習に、
音程を付けて練習します。

リズムは、すべて均等にし、
歌のリズムでなくて結構です。

 ♪    ♪     ♪     ♪     ♪   
sU /nA /yA /mA /nO  
ド /ド /ラ /ラ  /ラ  

このボックス練習のやり方で、
最初のsUの影響を
nAは受けないようにして音を歌います。

極力、一語一語の純度が高い方が、
言葉もわかりますし、
音程も良くなります。

この練習をたくさん行った後に歌うと、
とても楽になっているのがわかるはずです。


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この記事を書いた人

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