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「第九」の合唱練習 5 411小節 ~ 431小節
■411小節 ~ 431小節 テノールソロの途中から男声合唱が合流して、 歌い始めます。 男性陣にとっての聴かせどころの一つです。
三声のバランス
①三声のバランス
男声パートが、Ten1,Ten2,Bassの三声に
分かれて演奏しますが、
Ten2が、人数的に少ない場合は、
Bassの高音が出る方に手伝ってもらい、
バランスの良い響きを目指しましょう。
「Laufet」「Brüder」の歌い方
②「Laufet」「Brüder」の歌い方
テノールソロに合流する「Laufet」は、
切れ良く入りたいものです。
少し早いタイミングから息を吸い始めて、
喉、口腔、胸を広げて、
「Laufet」の「L」の位置に
舌を準備してから
「Laufet」と歌いだしましょう。
「Laufet」の「L」は、
舌先が歯の内側辺りを
一瞬、触ることによって作られますが、
舌を前にはじくと、乱暴になり、
母音が割れますので、
触った舌を戻す感じの方が、
口の中の空洞を保て、
次の母音が奏でられやすくなります。
「Laufet」の「t」も忘れずに。
「Brüder」も語頭の二重子音になります。
「B」を強く言おうとすると詰まりやすいので、
「rü」の「ü」をしっかり狙って歌うと、
うまく声が出ます。
タイミングが大事です。
「Brüüder」 の様な感じでしょうか。
8分音符・8分休符の扱い
③8分音符・8分休符の扱い 8分音符が、16分音符になりやすいのと、 8分休符が適当になりやすいので、 一度ゆっくりと確認練習を する必要があると思います。 「eure」と「zum」の言葉の入れ方ですが、 ♩ ♪ ♩ ♪ eu - eu- re - e オ ー オィ ♩ ♪ zu-um のように音符に入れて歌います。
Freudigの歌い方
④Freudigの歌い方
「Freudig」の「F」の子音を
はっきり言おうとすると
「reu」の声が止まり、
響きがなくなり、
結果、声を押すことになります。
ここも、語頭の二重子音になります。
練習方法としては、
まずは、子音を発音せずに
「eu dig」 と練習して、
その次に、「r」を付けて、
「rr eu dig 」
その後に、「f」を柔らかく付けます。
その時に、顎が固くならない様に
注意が必要です。
「f rr eu dig」
※アルファベットの表示の仕方は、 自分のイメージです。
という順番で練習をすると、
タイミング良く、
きれいに発音できるようになってきます。
「415」「424~426」の「Freudig」は、
特に語頭が遅くならないように、
狙っていってください。
裏話
⑤裏話 ある市民「第九」公演のGPの時のお話です。 マーチの個所になり、 テノールのソリストが、颯爽と立ち上がり、 歌う準備をしていると、 急に、肩をたたく人が、 「指揮が見えないんで、 ずれてもらえませんか?」 と、テノールの合唱団員からの声…。 人が好いソリストだったので、 横に動いてくれたそうですが、 もの凄くびっくりしていたそうです。 共演していたソプラノソリストから その日の夜に聞いたお話です。 その方は、自分が第一なのでしょう。 恐るべしです。 私もたくさん「第九」のソリストを させていただきましたが、 「第九」の合唱指導をしてみて、 分かったことがありました。 合唱団の人たちは、 あまりソリストのことは覚えていません。 「前回の公演のソリストはどなたでした?」 と聞いても、 「誰だっかしら??」 という返事が返ってくることが多いのです。 主役は、自分なんですね。 「第九」のソリストをしている時は、 みんなの注目を浴びているつもりで、 歌っていましたが、 それ程でもないという現実を知りました。 もちろん、覚えていてくださる方も いらっしゃるとは思いますが…。 これは、「第九」の合唱指導をしてみて 良かった事です。
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「第九」の合唱練習 6 543小節 ~ 590小節
■543小節 ~ 590小節 オーケストラから引き継ぎ、 「第九」において、 もっとも有名なメロディーを 歌いあげます。
高いテンションを保つ
①高いテンションを保つ ここでは、喜びに満ちた、 テンションの高い声で、 歌い始めなければなりません。 その為には、 急激に盛り上がる541小節よりも前の オーケストラのシンコペーションの時に、 しっかりとエネルギーを貯めておいて、 534小節のFreudeの時に爆発させます。 アニメに例えると、 「宇宙戦艦ヤマト」の波動砲や 「ドラゴンボール」のかめはめ波、 のようなイメージです。 エネルギーを貯めるイメージは、 圧力なべのカタカタいっている 感じを想像してください。 ただし、ここで怒鳴ると、 喉にダメージが来ますから、 (その後に待ち構えている難所で、 しっかり音程が下がってきます。) バランスが大事です。 それから、良くあることですが、 2回目の「Deine Zauber」に入ると テンションが下がってきます。 1回目の「Deine Zauber」と 同じイメージで歌うと、 身体が動かなくなってきますから、 1回目と違うイメージを作って歌うと 良いかと思います。 人間は、同じことを繰り返すと 身体が飽きてきて、 反応が悪くなります。 同じメロディーや歌詞でも、 歌い方やイメージを変えることによって、 新鮮さを保つことができます。
ソプラノの問題点
②ソプラノの問題点 高い音程が続きますので、しっかりとした 声のトレーニングをしておかないと、 音程に到達しない箇所が出てきます。 発声の面からに言いますと、 「ファ#」「ソ」は、ソプラノにとって 声の変わり目で「チェンジ」と 呼ばれる場所です。 ここを無視して歌うと、最初は良くても、 声帯マヒを起こしますから、 喉がいうことを効かなくなってきます。 10代20代の喉なら、元気ですから、 何とかなったりもしますが、 それ以降の方は、出し方に工夫が必要です。 息の流れる方向、喉の感覚、 自分への聴こえ方が変化します。 これは、プロ歌手の方も一緒です。 長く舞台で歌っている方は、 テクニックの裏付けがあります。 若くて喉に無理が効く間に、 しっかりとトレーニングして、 テクニックを身につけておかないと、 プロ歌手にはなれません。
リズムやフレーズとアクセント
③リズムやフレーズとアクセント リズムは、8分の6です。 ♪♪♪♪♪♪を細かく感じながら、 しかし、大きなフレーズで 歌わなければなりません。 また、その中で、 549小節「 Elysium 」 553小節「 feuertrunken 」 557小節「dein Heiligtum 」 570小節「 Brüder 」 586小節「 Brüder 」 の「 sf 」は、 はっきり歌わなければなりません。 何回も書きますが、語頭の二重子音を 上手に前取りをしないと、 声が詰まってきます。 「Freude」 「shöner」 「Brüder」 は、特に意識しましょう。
geweilt Alle のブレス
④geweilt Alle のブレス 「teilt」を素早く発音をして瞬間的ブレス、 そして、「alle」の「a」に アクセントを付けます。 「alle」は倍の長さになりますので、 意識して歌う必要があります。
語尾の拍の確認
⑤語尾の拍の確認 「550小節、558小節 um 」8分休符あり と 「574小節、590小節 weilt」8分休符なし のフレーズの終わりの長さが違います。 確認しておいてください。 県や区のケーブルTVやニュースでは、 必ずこの個所の合唱団を放送します。 一番良い表情をして歌いましょう。
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