目次
「第九」の合唱練習 7 594小節 ~ 610小節
■594小節 ~ 610小節 ここから、新しい曲想に入ります。 教会音楽のような美しいアンサンブルが 奏でられてきます。
男声のユニゾンの個所
①男声のユニゾンの個所 この個所は、 堂々とした力強い声を求められますが、 男声にとって見せ場でもあるため、 怒鳴ったり、力んだりしてしまい、 かえって声が飛ばなくなったり、 「E」の音でひっくり返ったりする人が、 出やすい個所です。 「Seid」の「S」と「ei」を分離して、 「s」は、時間をとって、 「ei」の母音をしっかり奏でる感じ、 「sss eeei d」のイメージで、 歌い始めると良いかと思います。 「Millionen」ですが、 「Milli」高い「ミ」の音は、 バスにとっては、声の変わり目で、 しっかり支えて歌わないと 音程が下がります。 「i」の発音は、丸いイメージを持った方が 声にも音楽にも良いと思います。 「ll」は、二重子音です。 歯の裏に舌の先を付ける時間を長めにとると 二重子音に聴こえます。 「onen」の下がってくる音も、 支えが抜けやすいため、 ポルタメントがついたり、 音程が悪くなります。 気を抜かず、最後までしっかり支えましょう。 スタッカートが付いている箇所は、 どこに付いているかをしっかり把握して、 練習をする必要があります。 「Diesen」の「ド」の音も、 少し頭声を混ぜないと低く聴こえます。 「ganzen」高い「ミ」の音も、 バスにとっては、声の変わり目で、 しっかり支えて歌わないと 音程が下がります。 「a、e」の発音も、 丸い母音のイメージを持ちましょう。 文のフレーズも大事にしたい場所ですから、 上手にカンニングブレスをしながら、 丁寧に練習をして、作り上げてください。 お客さんも期待している場所です。 しっかりさらって、仕上げましょう。
603小節目の女声の入り方
②603小節目の女声の入り方 男声の「Welt」を聴いて入ると、 ずり上げて音程を取ることが多くなり、 音程がきれいになりません。 男声の「Welt」は、 音程が低くなりがちですから、 男声の「Welt」を聴くのではなく、 オーケストラの音を聴いて入ると、 音程がよくなります。 また、ソプラノの「ソ」の音は、 声の変わり目の音ですから、 解放された音を出そうとすると 不安定になります。 しっかり支えて、我慢をしながら出せると 良い声の場所が見つかってきます。 他の個所にも出てきますが、 ソプラノの「ソ」の音は、 発声的にも難易度がとても高いです。 取り出して、丁寧に練習をしましょう。
パートによってずれて出る箇所
③パートによってずれて出る箇所 603小節の「Seid」
604、605小節の「Millionen」の「Mi」 606,607小節の「Diesen」の「Die」
特にAltは、「sf」が付いているつもりで
しっかりと意識して入りましょう。
608の小節「der」 このずれをしっかりと意識して歌うと、 音楽的になってきます。
「Welt」の音程
④「Welt」の音程
「Welt」の「レ」の音は、
音程を下から取ったり
「W」の子音を乱暴に扱ったりすると、
必ずといっていい程、音程が下がります。
息の道を確認しながら練習して、
いつでも音程に届くようにしましょう。
「U」の発音
⑤「U」の発音 「Umschlungen」ゃ「Kuss」の「U」は、 深い単音の「U」です。 浅い声にならないようにしましょう。
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「第九」の合唱練習 8 611小節 ~ 626小節
611小節 男声のみの「Brüder」~の個所
①611小節 男声のみの「Brüder」~の個所 610小節の「Welt」の後、 身体の緊張を緩めないでブレスを行い、 張りのある声で「Brüder」を高らかに歌う。
Tenにとっては、声の変わり目であり、 Bassにとっては、高い音であるため、 難しい個所である 「ファ」の音が続く「Überm Sternenzelt」 は、唇を丸め、口の中を細長い筒にして、 吸い込む方向に息を流しながら歌うと、 うまく処理ができます。 その身体の張りを緩めないでブレスを吸い、 吸い込む方向に息を流しながら 「Muss」の「U」は、浅くならないように、 「ein lieber 」は、響きを落とさない様に、 「vater」の「ファ」 の音は、怒鳴らず、 音を吐き出さず、吸い込む方向に声を出し、 「wohnen」は、しっかり支えて、 スタッカートを付けて丁寧に歌いましょう。
619小節 全パートの「Brüder」~の個所
②619小節 全パートの「Brüder」~の個所 次は、全パートで同じ歌詞を歌いますが、 伴奏の形が変わりますので、
柔らかいブレスを取って、 三拍子をしっかりと感じながら、 正確なリズムで歌いましょう。 Ten同様、620小節の「ファ」の音が続く 「Überm Sternenzelt」は、 唇を丸め、口の中を細長い筒にして、 吸い込む方向に息を流しながら歌うと、 うまく処理ができます。
622,623小節の「Muss」のズレと「sf」
③622,623小節の「Muss」のズレと「sf」 「sf」を表現するためには、 声をぶつけるのではなく、 「M」の子音を早く取り、 「MMuss」のイメージでタイミング良く、 「Muss」の「U」は、深い声で歌いましょう。
625,256小節「Vater wohnen」
④625,256小節「Vater wohnen」 625小節の「Vater wohnen」ですが、 「Vater」の音程が上がっていくときに、 声が開いてしまうと「whonen」まで、 フレーズがきれいに歌えません。 丸い声で、少し声をかぶせていく感じの方が 収まりが良いと思います。 「whonen」は、最後まで神経を使って歌い、 オケに音楽を渡しましょう。 「第九」の合唱練習 目次へ
「第九」の合唱練習 9 631小節 ~ 654小節
■631小節 ~ 654小節 この個所は、歌詞の内容表現においても、 発声的にもとても難しい個所です。 時間をかけて少しずつ、 解決していかなければなりません。 627小節目からの 「Adagio ma non troppo ma divoto」 「アダージョで、 しかし はなはだしくなく しかし 敬虔に」 のオーケストラの4小節を 上手に感じ取って、 ここからの世界を創って下さい。
「Ihr stürzt nieder Millionen?」
①「Ihr stürzt nieder Millionen?」 a.「Ihr」の入り方。 哲学的な表現を求められる個所なので、 繊細にデリケートな音量で、 歌わなければならないのですが、 「Ihr」がカタカナの「イー」の様に なってしまい、 喉声になったり、音程が低くなったり、 音程をずり上げたりしてしまい、 美しく入るのが、難しい個所です。 ハミングで音程を合わせたり、 「Ü」で歌ったりして、 響きが平たんにならないように、 練習をしましょう。 crescendoとdecrescendoの 極端な表現も求められています。 しっかりと練習しましょう。 b.「stürzt」の発音。 まずは、三拍目の裏に正確に入れること。 そして、発音が難しい個所です。 「ü」を発音するための 唇を丸くとがらせた形を保ちながら、 子音も言うと発音しやすいです。 決して口を開けないように。 c.「nieder 」 囁くようなスタッカートで。 明るい和声です。 d.「Millionen?」 ここからcrescendoが始まります。 「Mi」の「M」の準備をしっかりして、 Sop.とTen.は二拍目の音程の変化を クリヤーにする為に、 「i」をもう一度歌う感じで、 「ll」は、舌先で少し我慢して二重子音を 表現。 「onen」のスタッカートは、 乱暴にならないように。 特にAlt.とBass.は音程が跳躍しますので、 飛び出ないように。 Sop.とAlt.の「ファ♯」は、 和声的にも大事な音です。 正確に音程を歌っていきましょう。 この個所は、オーケストラの和声も 細かく変化していますので、 良く和声を感じて歌う事。 疑問形であることを忘れないように。
「Ahnest du den Schöpfer,Welt?」
②「Ahnest du den Schöpfer,Welt?」
PPからのcrescendoになります。
意志を強く持って歌いだしましょう。
Ten.の「den」は、
他のパートとリズムがずれています。
正確なリズムではっきりと歌いましょう。
「Schöpfer,Welt?」の
子音は、ぶつけるのではなく、
「SSch」「WW」の様に時間を取って強調。
母音も止まらないように動かして、
「ööö」「ee」のようなイメージで、
Sop.の「ミ♮」は正確に音程を作って。
「Schöpfer,Welt?」は、
明るい和声感を感じて歌ってください。
「Welt?」は、ffですが疑問形です。
「Such ihn überm Sternenzelt!」
③「Such ihn überm Sternenzelt!」 640小節からのSop「ミ,ファ,ファ♯,ソ」 と半音階で上がっていく動き。 声の変わり目の位置で、 半音階で上がっていかなければならない為、 声が詰まってきてしまいます。 顎の力を抜きながら、 一音一音、口形を少しずつ変化させ、 良い位置を見つけていきましょう。 643小節目のAlt「ソ、ミ♭」の跳躍。 アルトにとってこの「ミ♭」は、 声の変わり目で、声のはまりが悪く 音程も下がりやすい個所です。 ソプラノ同様、顎の力を抜きながら、 口形を少しずつ変化させ、 良い位置を見つけなければ、 安定した音にはなりません。 アルトだけが動きます。 しっかりとした表現が必要です。 643小節目からの男声 テノールの「ソ」、バスの「ミ♭」は、 声の変わり目の為、 声がはまりにくい個所です。 しっかり支えて、我慢をしながら歌うと 結果的に良い音になってきます。
650小節目からの難所
「über Sternen muss er wohnen」
④650小節目からの難所
「ü̈ber Sternen muss er wohnen」
ソプラノの「ソ」、アルトの「ミ」も、 声の変わり目のため、 声がはまりにくい個所です。
そして、PPでの表現。 第九において、難所の一つです。 どの市民合唱団も苦労をしています。
まず、オーケストラがPPで
緊張感を持った音楽を作るため、
歌う方も身体を固めてしまい、
呼吸が入らなくなってしまいがちです。
息を止めずにオーケストラを聴き、
身体のリラックスを保ち、
呼吸を深く入れてから、
歌いだす必要があります。 支えのバランスを上手く取りながら、
口を開けるのではなく、唇を丸めて、 吸い込み気味に声を出していくと
解決方法が見つかってきます。
母音が同じポジションで
歌うことができるように
トレーニングしなければなりません。
子音の発音の影響で、
母音の流れが崩れないように。
ポジションが変わると
音程が悪くなってしまいます。
とても高い技術が必要な箇所です。
音程を保てない方は、
この個所は無理をせずに、
歌えるようになってから歌いましょう。
男声の「ラ、ド♯」も 音程があやふやになりやすいですから、 取り出して練習しましょう。 テノールの「ド♯」は、 しっかりと頭声にしないと 音程が下がってきます。
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