No.6 「小澤征爾オペラ音楽塾」(第一期生) バリトン歌手 佐野正一

「小澤征爾オペラ音楽塾」(第一期生) 

「小澤征爾音楽塾プロジェクトⅠ」公演チケット
「小澤征爾オペラ音楽塾」

20年以上前に、
「小澤征爾オペラ音楽塾」
という 企画が旗揚げされました。
(現在も続いています。)

小澤征爾さん指揮のオペラに
最初の稽古からすべて参加し、

外人キャストのアンダースタディーを
務めながら、オペラの研修を行う
というもので、

私は、その第一期生として
参加しました。 

その塾生は、一ヶ月強の間、 
毎日10時に稽古場へ行き、 

フランス人のコーチから
歌唱や舞台語等のレッスンを受け、 

昼食後、13時から21時まで、 
小澤征爾さんとキャストの稽古を見学し、
研修を行いました。
 
小澤征爾さんの指揮での、
研修生のみの稽古や本番もあり、 

有楽町の国際フォーラムで
研修生の演奏会が開かれました。 

演目は「フィガロの結婚」で、
私はフィガロ役を務めました。 

その演奏会のお客様は、
日本歯科医師会のお客様が
中心だったのですが、

公演後、いきつけの歯医者に行き、
顔に布をかけてもらい、
治療を待っていると、

私の担当医のお父さんが現れ、

「先日は、コンサートに
伺わせていただきました。

鼻が高かったです。
ありがとうございました。」

と挨拶に来てくださいました。

きっと、
「彼は、うちの患者なんだよ!」

と仲間内で話題にしていたのでしょう。

私は、布がかけられていたので、
対応に困りましたが…。


その後、本キャストで、
東京、神奈川、愛知、大阪での公演が、
行われました。

全公演に同行しましたが、
フィガロ役のカナダ人歌手は、
絶好調で、私が出る幕は、
全くありませんでした。


蛇足ですが、
大阪公演の休みの日に、
道とん堀を歩いていると、

スーパー歌舞伎「三国志」の公演があり、
市川亀治郎さんが出演していました。

昔、歌舞劇「撒羅米」という
オペラでお世話になったので、

ついチケットを購入して、
観劇をしました。

プレゼントを受付に預け、
楽しく観ていたのですが、

何と休憩中に、
澤瀉屋の方が私を探し出し、

亀次郎さんの手紙と、
手ぬぐいなどのグッヅを
持ってきてくださいました。

覚えていて下さったことに
感激しました。

歌舞伎の世界の皆さんの
お客様への心遣いは、
本当に素晴らしいなと
思ったと同時に、

同じ舞台人として、
私も学ばなければ、
とも思いました。


この大阪公演が千秋楽でしたので、
「小澤征爾オペラ音楽塾」関係者全員で、
ロビーで打ち上げがありました。

私は残念ながら、
翌日、横浜のみなとみらいホールで
本番がありましたので、

お酒を飲まず、
地味に参加させていただきましたが、

皆さん本当に楽しそうに弾け、
打ち上げていました。


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